フェイドアウト

ふと思い出したが、今日はワタシの父親の72歳の誕生日である。
いまさら誕生日がどうこうという年齢でもないのだが、72歳という年齢にはそれなりに考えさせられるものがある。


先日、阪神高速をタクシーが3キロほど逆走する事件があったが、その運転手の年齢も72歳であった。
運転手は逆走中の「記憶がない」と証言しており、果たして記憶のロストが逆走前の追突事故に起因するものか、それとも年齢のせいか定かではない状況なのだが、いずれにしてもドライバーの高齢化が進むとこうした事故の報道が増えてくるだろうと思う。
そして高齢者の運転が周囲に不安を与えるようになる。
それでも車を手放せないのが地方での生活なので、ウチの親なんかは大丈夫だろうかとかねがね思っていたのだが。


先月聞いた話だが、父はそろそろ車の運転を止めようかと思っているそうである。
寝たきりの祖母のケアで母が実家やら病院やら行ったり来たりであったため、車がないとにっちもさっちもいかない状況であったが、先日祖母もめでたく(?)往生したので運転する必然性も無くなったのである。
中途半端に図々しい性格をしているので「自分に限って大丈夫」という根拠のない過信でもしてないかと多少不安であったが、おそらくは運転という行為が面倒くさくなったのであろう。


「発つ鳥後を濁さず」とゆうのは難しいものだが、そんな感じの所を目指すステージにウチの親は来ている。
ワタシがそこから何かを学び取ることこそ最後の親孝行であろうか。