トリビアから雑学へ

テレ朝の「Qさま!!」「クイズ雑学王」が好調である。
頭の良さげなタレントに仕事が回るようになり、バカ専門化した「ヘキサゴン」との棲み分け体勢が明瞭になった。
リビアから雑学、「役にも立たない素性も怪しい」知識から「あるいは役に立ってしまう」知識へのシフトチェンジを推し進める“流れ”ないしは“仕掛け”の存在が伺える。
これも世の流れだから仕方がない。
(デブタレの中で物知りデブ=伊集院光の差別化がよりいっそう進んで何より)



さて、トリビアに対するニーズの後退と、かつてトリビア人気の火付け役となった唐沢俊一の仕事の質の低下は何らかの相関を持つものだろうか。
ユーザーの目が肥えてきたのか、唐沢氏の扱える“すきま”自体が減ってきたのか、いずれにしても唐沢氏は消費尽くされつつあるような感がある。
「流行」というものが今よりも力を持っていた90年代においては、氏が「辺境」から放つ光はマイノリティを強く自覚していた20代のワタシにはそれはもう眩しく見えたものであった。
メジャーが複層マイナーへと変化した今となっては、相対的にその光も暗くならざるを得ないのだろう。



何にしても、
 ・一行知識の復権
 ・好美のぼるの発掘
 ・アジアンコミックの紹介
この三点に対しては唐沢氏の仕事に感謝の念を抱いている。
あくまで済んだ事としてだが。



とりあえず、これまでに唐沢氏が取り上げたややこしい方々に負けず劣らずの面白い死に様を氏には期待したい。
その時、彼の死に対してどれ程のツッコミを入れられるかが我々の課題。
(弟の唐沢なをき氏については、今後の仕事も期待している)