マンションいかがですか?【遭遇編】

いつもの如く不真面目に仕事をしていると、夕方4時頃に外線で電話がかかってきた。
受付は「名刺を見てかけてきたそうで」とか言ってるが、最近殆ど名刺を配ってないので少し不審に思いながらもつないでもらう。


何のことはない、マンション経営の勧誘電話だった。
こういう話は問答無用で切ってしまうのがベストなのだが、調べ事をしていた最中で少しボンヤリとしていたせいか、うかうかと話し込んでしまう不覚を演じてしまった。


気を取り直して相手の社名を聞き、右手でキーボードを打ってググりながら「ところで名刺なんぞいつ渡しました?」と聞いたら「違いますよ名簿です名簿、サラリーマン名簿(何じゃそのネーミングは)、ワタシの名前も載っててビックリしましたよ」と実に不穏な回答をしてくる始末。結局ググっても出てこなかったし。


とりあえず、ここで電話を切っても盛り上がりに欠けると思い、次の火曜に改めて電話してもらうことに。
向こうも何とか自分のペースに持って行くため今日にでも会って話をしたいと急いてくるので、「今日は9時まで残業」「土日は実家に所用」「月曜は出張」とかウソ話をかましていると、向かいに座る後輩がゲラゲラ笑ってやがる。


電話の後「マンション経営 勧誘」でググり、おおまかな予備知識を得て対策案を練る。

・即金で買える訳も無く、ローンを組むと回収までに2〜30年、やっとれるかい
・少子化による物件の余剰動向とか空室率とか金利の上昇とか考えとるのかボケ
・とりあえず表面利回り15%ぐらいは必要だが、あったらあったで何か怪しい

ぐらいのツッコミを仕事そっちのけで準備。
「土日でシナリオの練り込みだ」と意気込むワタシに、後輩からの視線が突き刺さるのなんの。


軽めの残業をこなして家に帰ると実家から電話。
「土日は実家に所用」というウソ話がにわかに現実となった。


つづく。