やっぱ金が大事(その2)

勝間×サイバラ対談のつづき。

K(勝間) 最近衝撃のデータがありまして、女性の寿命の長さってあんまり地域とか所得に関係なく
  例えば沖縄みたいなすごく健康にいいとこが寿命が長いんだけど、男性って何処が寿命が長いと思います?
S(西原) 東京は短いと思うな。長野県あたり?
K と思いますよね、違うんですよ。神奈川県横浜市青葉区、1位。
S 何でしょうか、そのラーメン屋みたいな名前は。
K 青葉区のいい住宅街に住んでる人たち、平均所得が高い人たちです。
S それ年金とか届けてない人が集中して住んでるとか。
K 高級住宅地なんですよ、あるいは東京都港区とか、東京都中央区とか。
  高級住宅地ほど男性が寿命が長いんです。
  いくつか要因があるんですけど、お金持ってると社会的なストレスが少ないとか、
  お金を持ってていい医療が受けられるとか、お金持ってていい生活習慣が身につけられるとか、
  そういうことらしんですね。
S それもあるでしょーね。だって借金と病気ってバリューセットですもん、人って。自殺しちゃうじゃん。
K それは両方ダブルで来ると。
S ダブルで来るとね。
  そんで病気なくて貯金ないと絶対自殺しないから人は、だいたいそのセットが来ますね。

K でも病気になったときに無保険だったり、あるいはいい医療が受けられないと治らないですよね。
S  治らないからどんどん悪くなるし、収入もどんどん無くなっていくし、って言ったら人間もうほんとに絶望的になっちゃう。
K この問題って諸外国でも貧困の問題は大きいですよね。
  インドとかそういうとこってどうなっちゃてるんですか?
S ちょっとずつ現場の人たちの話聞いてるとやり方も変わってる。
  ただ食べ物とお金あげるんじゃなくて、子どもを持ってる母親に、働いた人からあげるとかね。
  地元の会社にまずお金とか投げといて仕事させてあげるとか、どんどんどんどん形は変わってはきてますね。

K 工夫はされてるわけですね。
S それはちょっと希望だなーと思ってるんですけどね。
K ルームトゥリードという元マイクロソフトの人が辞めて作った寄付団体も、ひたすら女性教育をやってるんですが。
S それに尽きると思うんですよ。
  男の人に頼ってたら、人に頼るってのは何にも生まれないんで、自分からどうにかするっていう。

K 人から食べ物もらっててもしょうがない。
S もらってたら次に「もっと何でくれないの?」って。1回もらうことを覚えちゃったら。
K そこで自分で手に職を付けて。
S そしたら男なんかすぐいなくなっちゃうんだから、あーゆーのはね。
K それは浮気したりなんなり。
S 浮気したりなんだかんだしてすぐいなくなっちゃうんだから、
  自分で自分の子どもを育てるにはどうすればいいかっていう事をまず考えるって工夫を与えないといけないよね。

K 手に職がないと男の人にしがみつくって事ですか?
S そう。そんで次の男はもっと分の悪い男になるからね。
  大体こっちもすさんでくるから。

K だんだんだんだん悪くなるんですか?
S だんだんだんだん男は悪くなってくの、それでも依存なんだもん。
  虐待してるのなんか必ず夫婦じゃん、写真見たらボロボロじゃんあの人たちみんな。

K 自分自身殴られてるケースが多いですよね
S ボロボロで何で別れないのって、もう別れるお金も無いからね。
K 引っ越したいとか・・・
S 引っ越す気力もお金も何にもないから。
K そこで男がいなくなっちゃうと、次の殴る男がやって来ると。
S 二人でこんなんなってしがみついてこんなんなっちゃってるもん、見てると。
K 女性に昔は仕事があった、新卒から仕事がないんでしょうかそういう人は。
S どうでしょうか、ただどんどんどんどん分が悪くなるよねー、
  相手になにかしてもらおうとか。
  だって貧乏と貧乏が一緒に住んだら倍貧乏になっちゃう。

K 収入無い中、人が増えますよね。
S 倍貧乏になっちゃうから、そんで狭い家の中でいればねー。
  考えないってのはすごい多いって思うんですよ。
  相手がどうにかしてくれると思ってるってゆー。

K 結構お互いに思っちゃうんですか?
S でもあたしはやっぱり女の人の依存心が強いって思う。
  男より女の人は、相手にどうにかしてもらうってゆーか、
  結婚で人生が変わるんじゃないかとか、そういう考えが女の人多いですよ。

K 二十台で専業主婦願望多いですよね、しかもそれは増えてるんですよ。
S 危険ですよー。リスキーな職業ですよ主婦は。
K それは男次第だからですか?
S そうです男次第だからです。
  浮気するかもしれないし、ふた開けてみたら病気になっちゃうかもしれないし。
  実は人格が途中で変わっちゃうこともあるよね。
  まして、そんなにすごく大事なダンナさんが鬱病か何かそんな病気になっちゃったらどうやって助ける?子どももいるのにね。
  必ず仕事持ってないと、うちだってアルコール依存症で夫がね、
  ちゃんと死なすのにもホントお金かかったんですよ。
  最後の最後にみんなに「偉かったね」とかなんとか言われるんですけど、
  私最後に「金あって良かったなー」と思ったモンつくづく。

K そこでお金がなく追い込まれてると、
S 夫の病気を理解するということもできなかった。いまだに憎んでたかも。
  子どもたちには憎しみを、「あなたの大事なお父さんはこんなイヤな人でした」という憎しみをぶつけてたと思う。
  全部冷静に戻れたのはきちんとした高い医療を彼に与えられたから。

K ケアをする余裕が。
S 余裕があって、専門家の医師の意見も入って、彼自身もきちんとそれで帰って来、で初めて私、人と人同士で彼と話合うことができたの。
K それは彼の責任というより、病気だっていうことを理解するということですよね。
S 全て100%彼は病気だったの。それが初めて分かったの。
  いやー働くって大事だなー、お金ってほんと。
  食べて行くのもお金かかるけど、死ぬのも金かかるわっての、つくづく思ったっス。

K 余裕を持って相手を送り出すのに。
  さっきの神奈川県青葉区の話になるわけですよね。
S 大事な大事なダンナさんが病気になって、じゃあどうするのって、どうしていいか分かんないじゃホント困るんですよ。
  大事な誰かを守るためにお金ってすごい必要なのね。
  突然の嵐って絶対やって来るから、そのときに大事な愛する家族を守るのはお金だけなんですよホントに。
  金無かったら守れないから、もー。

K その時に、どうやってサイバラさんは手に職を付けるプロセスを選び抜いたんですか?
S 周りの大好きな友達たちはみんなボロッボロになっていったから。
  イケてる不良の先輩とかさー、いっぱいいるじゃん。
  みんな男替えちゃって、そのたびにボロッボロになって帰ってくんのね。

K 男とどっか故郷を離れて・・・
S 16くらいでどっかいなくなって、子ども二人くらい抱えて出戻ってきて。
  そんで2番目はもっとどーしょーもない男に引っかかってって、
  みんなもうボロボロで40くらいで老婆みたいになっちゃってさ、
  あんな綺麗にイカしてたのにとか、女友達でもホントにいい子ばっかりなんだけど、
  いかんせん自分でどうにかしようっていう知識がない人達はほんとボロボロになるの早いし、子どももすさんじゃうのね。
  それがすごくイヤだったの。
  で、怖かったの。男に殴られたり脅されたりする人生に、自分が絶対このままじゃなると思ったから。
  そんで意を決して東京に出てきて、歌舞伎町のミニスカパブで働いたらもっと分の悪い人たちがたくさんいて、もう怖くて怖くて。
  だってダメの見本市みたいなんだもん、歌舞伎町の夜って。

もう1回つづく。