焼け石に・・・

厚生労働省が医師の交代制導入のため5億円の予算を組むという話がある(いない医師をどう交代させるかは知らんが)。
文部科学省が医師養成システム整備のため100億円の予算を組むという話もある(大学病院に限った話だが)。
ただ、おそらくはこうした予算案も一時的なものに過ぎず、短期間での対費用効果が見られなければ予算投入も打ち切られて元の木阿弥という気がする。


話は変わるが、ジェフリー・サックス貧困の終焉」という本を最近読んだ。
サックス氏の分析によると、最貧国を経済成長のポジティヴ・スパイラルに乗せるのに要する経済支援のレベルは、実際の支援額に比べ1桁も2桁も少ない。しかもそのレベルの支援額を先進国では多いと見なし、効果が出ない点に大いに不満を持っている。そしてその不満は支援を活かせない最貧国の後進性に向かっている。


何となしに医療問題に対する非医療従事者の姿勢に似ているな、と思った。


とりあえず、「まっとうな」「安心できる」医療を得るにはコストがかかって当然という意識を持つことが、医療再生(ある意味違和感を覚えるフレーズ)への第一歩ではないだろうか。


舛添要一厚労相に就任したことに期待を抱く向きもあろうが、内閣自体が短命そうなので無駄な期待はかけないがよかろう。(それ以前に彼のテーマは医療よりも介護だから)





それにしても、交代制はなかなか面白そうである。

都市部の病院がシフトを廻せる医師数を確保
 ⇒かといって医師の総数が増えるでもなく
   ⇒地方の病院が医師不足で壊滅
     ⇒3年ほどで補助金廃止
       ⇒都市部の病院も経営難で壊滅
         ⇒日本全土焼け野原

というシナリオか?
予算案が通らないことを切に祈るばかりである。