粗忽の使者

  米大使が国連で誤った声明文を使用、会議やり直しに(25日;ロイター)

国連安全保障理事会で25日、米大使がスーダンに関する誤った声明を読み上げたために会議をやり直すという珍事が起きた。
現在同理事会の議長を務めるハリルザド米国連大使は、第1セッションでダルフール地方への空爆を糾弾し、スーダン政府を明確に批判する強い調子の声明文を読み上げた。
複数の会議参加者によると、セッション終了後にロシアのチュルキン国連大使が、読み上げられた声明文は15人のメンバーで構成する同理事会で合意したものとは別物だと指摘したという。
その約10分後、帰ろうとしていた参加者らを担当者が何とか会議室に再集合させ、ハリルザド大使が先ほどと同じ通し番号が付けられた会議を開会した。そこで同大使は、前回よりソフトな調子の声明を読み上げ、ダルフール地方の関係者すべてに暴力を止めるよう求めた。
米側のスポークスマンは「彼(ハリルザド大使)は前のバージョンを読んだ」と説明した。国連の担当者は、初めのセッションは事実上破棄され、無かったことになるとしている。
その後、ハリルザド大使は記者団に「初めの声明文にはそこにあるべきでない単語が2語ありました。時間帯も遅く、金曜でしたし、管理部門もある程度ストレスの下でやっています。まあ人間ですから、そういうこともあります」とコメントした。


うがった見方をすれば敢えて間違えたふりをしてみせたとも考えられるが、素直に間違えたと解釈するのがよりアメリカンだろう。
批判相手の国名を間違えるぐらいはやって欲しかったが。
「まあ人間ですから、そういうこともあります」との開き直りも(実に情けなくて)共感を覚える。

にんげんだもの

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