面白い錯視から無理やりな論旨に

ホットエントリに面白い錯視を載せたサイトを紹介してあった。
Motion Binding - Michael's “Optical Illusions & Visual Phenomena”

ページを開いてまず最初に見えるのは4本の青い線。
“Run”ボタンを押すと、線は2本×2組として斜め方向に直線運動を始める。
それぞれの直線は独立した動きをしているように見える。
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次に“occluders+”ボタンを押すと、線の端を隠すような格好で緑色の四角形が4つ現れる。
そのまま線の運動を見続けると、さっきまでは線の直線運動に見えていたのが段々と四角形の回転運動に見えてくる。
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説明は一応したものの、正しい理解のためには上記のリンク先で実際に見て欲しい。



緑の四角形という“隠れみの”*1の存在下では四角形の回転運動がきちんと認識されるが、その“隠れみの”が背景色に隠れることによって全くべつの有り様に変わってしまう。
あるいは“あるはずのない回転運動”が“隠れみのっぽいもの”の存在下で捏造されるという見方が出来なくもない。

しかしちょっと待ってほしい。
この錯視現象はネット上で繰り広げられるマスコミ批判に通じていないだろうか?
日々発せられる記事の裏側に“存在しないはずの真実”を無理やり読み取って、
そこから“マスコミは不都合な事実を隠している”などとありもしない運動の存在を導き出していないだろうか?
そうすることで“マスコミの隠蔽体質”なるものを必要以上にアピールしていないだろうか?
今こそ冷静な議論が求められる。

と朝日新聞の社説なら言うんだろうな。

*1:“隠れ蓑”でなく“隠れみの”と表記したが、TBSとみのもんたを暗に批判している訳では決してない。