倒壊寸前

医者の方も吠えなければどうしようもない状況。
例の事件でグダグダの奈良県医療事情にとどめを刺さんばかり。

産科医が超勤手当1億円と設備改善を要求 奈良県立病院(22日;朝日新聞)

ここ数ヶ月、福島や尾鷲の一件をめぐる報道記事やそれに対する医療従事者サイドからのコメントが多く飛び交っているので、素人かつ局外者であるワタシにも問題の輪郭は見えてきた。
さしあたりこの辺は

①出産の危険性に関する認識不足
誤診は無くてもお産で死ぬケースはゼロではない。
②医療従事者が労働者であるという観点の欠如
年に数日の休みで労働の質を期待しようというのが間違い。
③誤診の有無を判断すべき第三者機関の不在
患者サイドとしては告訴以外に追求方法がないのだが、それは医者に絶えず訴訟リスクを負わせる結果となる。(事例は少なくても話題になるのでプレッシャー大)
④マスコミ情報の不完全さ、煽り要素への無自覚
表面的な事実以上の専門的な情報・見解(主に毎日新聞の報道に対する反論)はネットで能動的に探さないと得られない。
⑤医療行政のあり方
療養・救急をそぎ落とさないと経営が成り立たないのは病院のせい?

現場サイドもかなりの無力感を抱いており、徹底的に壊れない限り本格的な改革へはつながらないだろうという雰囲気。
「逆立ちしたって、医者は神様にはなれないからな。」
そろそろ人間の声に耳を澄ませよう。