もうひとつの核兵器

昨日は毎月恒例のアニカラオフを久しぶりに休んだ。
色々バタバタとしてネタの準備が充分出来なかったこと(日程が半月繰り上がったし)、お盆に向けて崩した体調を整えたかったことなど理由は色々あるのだが、一言で言うとシンドくてやっとれん訳で。


てな訳で夜はのんびりとテレビを見てたのだが、NHKスペシャルでは8月6日に合わせて「調査報告・劣化ウラン弾〜米軍関係者の告発〜」という特集を組んでいた(制作局はNHK広島)。


湾岸・コソボ・イラクで米軍が撒き散らして来た劣化ウラン弾について、米軍内で調査を実施した科学者が調査結果を握りつぶされたと主張している。
米軍はしばらく世界中でドンパチやる必要から殺傷性・経済性に優れた劣化ウラン弾を使わない訳にはいかず、コソボやイラクで起こっている住民の健康被害を否定し続けている。
(実験データでは弾着後に生じる劣化ウランの粉塵が数百メートル先に広がるとあったが、公式発表では50メートル程度に留まり健康被害にはつながらないとの事)


今まで意識してなかった事だが、原料となる劣化ウランの出所は原子力施設からの放射性廃棄物である。
本来なら費用をかけて処理する所を、兵器に再利用して処理コストを削減する訳で。
マータイさんが聞いたら泣いて喜ぶのではなかろうか。
そうした経緯のモノを海外で撃ちまくるのだから、言ってみれば不法投棄である。


EUでは劣化ウラン弾の全面使用禁止を呼びかけているが、当然アメリカは無視。
コソボやイラクの市民は泣き寝入りだが、米軍の帰還兵の中には訴訟に踏み切る者も少なからずいる。
事態を急転させるとすれば、“劣化ウランは金になる”と踏んだアメリカの弁護士が
一斉に訴訟を起こさせるようになってからだろう(弁護費用で補償額は大幅に目減りするだろうが)。


それにしても、兵器の安全性や軍隊の人道性を問うというのは実に矛盾に満ちた行為であるのう。