冷徹なる15歳

ひとまず犯行を自供したようではあるが。
真面目という言葉がとてもほめ言葉とは思えなくなるような今日この頃。

社員寮夫婦殺害 室内に時限発火装置 電熱器にタイマー、ガス充満させ引火か(22日;産経新聞)
15歳長男を逮捕「父がばかにした」(22日;毎日新聞)
まじめな15歳がなぜ、3者面談前日の凶行(22日;読売新聞)
「きまじめな生徒」に何が…友達少なく(22日;毎日新聞)

ワタシ的にはチャッチャッと部屋を爆発させているそつの無い行動に対して
人間というのはどんな異常な状況に置かれても案外何とかなる
と率直な感想を抱いた。


ワイドショー的にはこういう状況で冷静な行動が出来るモノではないという論旨から犯人の残虐性を際立たせる方向に持っていくのが定石である。(15歳の少年という事で話にワンクッション置くであろうが)
しかし今回の妙な手際の良さというのは残虐云々ではなく単に通常の現実認識に戻るまでのサイクルが短かったという事だろう。
逃亡先が草津温泉というのも気になるが、案外意味はないのかもしれないし。


犯行の隠蔽も丁寧に行う生真面目な少年。
抑圧感を文字通り吹き飛ばした彼の胸に去来するのは未来への恐怖か、それとも刹那な解放感か。
罪を背負った彼の前途を思うと暗鬱な気分になるが、せめて草津までの短い逃避行が彼にとって満ち足りたものであったことを切に祈るばかりである。