Komm, susser tod〜甘き死よ、来たれ〜

科学技術振興機構(JST)で科学技術分野における失敗事例DBを一般公開したというので、技術屋の端くれとしては見ておかねばと思い参照。

新聞だったら死亡事故が起これば一目でそれと分かるセンセーショナルな見出しが出るものである。
ところがこのDBでは往々として物損状況しか記していないタイトルが多いので、気構えなしに淡々と解説を読み耽っていると不意に“死者数 1”とかいう記述が出てきて何ともいえない戦慄を覚えるときがある。

んでもって最も印象に残った事故事例はというと↓
1919年のボストンで、地場産業である糖蜜のタンク(高さ約18m、全長約27m)が破裂し、あふれた糖蜜の津波は近隣の建物を破壊して死者21人、負傷者150名を出す大惨事に。
  http://shippai.jst.go.jp/fkd/Detail?fn=0&id=CA0000434&
30年経っても暖かい日には糖蜜の匂いがたちこめたと言われるほどの強烈な話。
また1932年にもミシシッピーで同様の事故が起こり、この時の死者も21人とのこと。西手新九郎?

ほんのちょっとずつの不測・不足でも、地道に丹念に丁寧に積み重ねることで何人もの命をいとも容易く奪える。我々も今こうしている間に、誰かを殺す準備を知らず行っているのでは?