あつさのせい

里帰りのため駅へと歩く10分のあいだに汗が面白いように滴り落ちる。いや、面白くはないのだが。
頭を揺り動かした勢いでポタポタと汗が降り注ぐ。
コンクリの上にシミが大きく浮かび上がる。
調子に乗ってヘッドバンキングなんかしてみると汗よりも意識がオチそうになる。
熱中症で倒れる人の半分くらいは、こうした上下運動のせいではなかろうか。一考の余地あり。


こう暑いと、何でこんな暑い時期にお盆なんだと思う。
先祖の霊も、暑さの余り半裸になって家の中をうろついている所に帰ってくるのは具合がわるいのではなかろうか。
かといって年末だと「盆と正月が一緒」なのはちょっとどうかと思うし、梅雨どきは何か湿っぽくなる。
結論としてはハロウィンあたりがよろしいのでは。


電車に乗ると、檀家まわりとおぼしきお坊さんが汗ひとつかかず涼しげな顔で座っている。
袈裟というものはやはり通気性が優れているのか、あるいは長年の修行の賜物か。
車中の冷房がガンガンに効いていたからなどとは畏れおおくて口に出せない。