姫路の18病院受入拒否の件はさすがに

全国的な現象ではあるのだが、姫路圏に在住のワタシとしてはどうしても注目せざるを得ない。



さて、各新聞社サイトの記事内容を受入拒否事由の書き方で比較してみたところ


【産経新聞】
未明の兵庫、18病院たらい回され 66歳死亡(6日;MSN産経ニュース)

姫路赤十字病院や国立病院機構姫路医療センターなど18の病院に「専門の医師がいない」「ベッドがない」などの理由で断られたという。

“たらい回し”という用語を使っているあたりが、医師サイドの怠慢が原因と何気に主張しているようである。
さらにたたみかけるように印象操作。

救急搬送をめぐっては、昨年8月、奈良県大淀町の町立大淀病院で高崎実香さん=当時(32)=が分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、19病院に受け入れを断られた末、大阪府吹田市の搬送先の病院で後日、死亡。
今年8月にも、同県橿原市内で体調不良となった妊婦(38)が11病院から受け入れを断られ、大阪府高槻市内の病院で死産が確認された。
高崎さんの義父、憲治さん(53)は「救急医療をめぐる問題があると(関係者は)『二度とこういうことが繰り返されないように』と謝るが、何度も繰り返し起こってしまうことが残念でならない」と話している。


むしろ毎日がこういう流れを作ると思ったのだが、

【毎日新聞】
救急搬送受け入れ:18病院が拒否 男性、2時間後死亡−−兵庫・姫路(7日;毎日.jp)

救急隊が電話で搬送先を探したが、姫路赤十字病院など近隣の18病院から「専門医がいない」などと断られた。

積極的に叩くと思ったのだが、それなりに薄い記事。
あるいは第一報を大きく薄めているかもしれないので要注意。



全国紙でそれなりの内容を書いていたのは

【朝日新聞】
16病院が受け入れ拒否 66歳男性死亡 兵庫・姫路(7日;asahi.com)

国立病院機構姫路医療センターは「症状が重篤と判断したため、内科の救急対応ができる病院へ搬送してほしい、と要請した」としている。
姫路赤十字病院は脳外科医が当直で、「専門医がいる病院を」と回答。
姫路聖マリア病院は夜間救急搬送先の輪番制で「内科・外科」の当番に当たっていたが、午前0時ごろから相次いで別の救急患者が搬送されるなど、医師7人全員が手術や救命措置にかかりきりになり、受け入れを断ったという。

【読売新聞】
16病院に受け入れ断られ…姫路の66歳男性死亡(7日;YOMIURI ONLINE)

断った理由としては「専門医がいない」が5病院、「ベッドがない」と「患者を処置中」がそれぞれ4病院。
「処置困難」が3病院あった。
このほか、電話がつながらなかったり、電話が通じても看護師から、院内にいる医師に連絡が取れなかったりした病院がそれぞれ、1病院あった。


さすが地元の神戸新聞はサイトに一覧表を載せていた。

神戸新聞
急患受け入れ拒否 病院側「当直が専門外」「処置中」(7日;神戸新聞)

受け入れを断った病院は、神戸新聞社の取材に「当直が脳外科医だったので、内科の輪番病院を紹介した」(姫路赤十字病院)▽「輪番日以外は救急に対応できない」(国立病院機構姫路医療センター)などと説明。
外科と内科の輪番日だった姫路聖マリア病院(姫路市)は、六日午前零時に別の救急患者の手術を開始。さらに十分後、入院患者が心肺停止になり、七人いた医師は全員、手が離せない状態だったという。
姫路市消防局は「症状が重篤なら、神戸市内の三次救急病院に運ぶこともある。今回の男性は当初、会話もでき、意識レベルも低くなかった。二次救急病院で対応できると考え、姫路市内から順に探し始めた」と説明する。

最後にスポーツ紙。
本文はともかくとして、見出しがストレートなのは一般紙記者との意識の差だろうか。

【デイリースポーツ】
それでも医者か!救急搬送66歳男性死(7日;デイリースポーツ)

姫路赤十字病院や国立病院機構姫路医療センター(いずれも姫路市)など18病院が「専門医がいない」「別の手術中で手が離せない」などとして断ったという。