当たり前の話に「なぜ?」はなかろう

新車販売:国内で不振 売れなくなったのはなぜ?(6日;毎日新聞)
ここまで好景気を実感できない状況では単価の高い商品ほど買い控え傾向に陥るのが自明なものを、改めて「なぜ?」と問われるとかえって戸惑う。新車が売れる国で売ればいいだけの話。
いささか長めではあるが、記事を抜粋。

業界の危機感の高まりを反映し、日本自動車工業会が初めて「新車が売れない理由」をリポートにまとめた。「乗用車を新車で買って、5年以内に買い替える傾向が減少した」と指摘。保有期間の長期化と、最初から車を持たない非保有者の増加により、新車が売れにくくなったのだという。

リポートによると、公共交通網が発達した大都市への人口集中と単身世帯の増加で、車を持つ必要性が低下。さらに年収が300万円未満の貧困層が拡大したことがある。だが何より、若い世代の興味や行動の変化が大きいようだ。

ここ数年、20〜30歳代を中心に、将来の収入や家計負担に対する不安がより高まった。自動車各社が最大のターゲットにしている層だが、子どもの教育投資、住宅ローン、税金、金利、医療費などの負担が重くのしかかり、年金制度への不信も強い。消費は、自動車ほど価格が高くなく維持費もかからないデジタル家電を優先させる傾向が強まっているという。車に魅力を感じず、関心の対象は薄型テレビやデジタルカメラなどの新しい製品に流れているようだ。

毎月の出費も、携帯電話やインターネット接続料などがかさみ、車が敬遠される要因になっているという。

業界としては「非保有者=開拓の余地」と見なしたいのだろうが、非保有者が購買意欲をそそられないのは「購買の必然性」が不足しているためだと思う。


何を隠そうこのワタシもれっきとした非保有者の一人である。
学生時代に教習所に通って以来、自動車のハンドルを握った経験は絶えて無い。
履歴書に書くために取ったような感もあるが、実際の生活の中では原付さえあれば困ることはない。
てゆーか、原付で通勤/生活に困らない居住地を選べる立場にあった。
「行動範囲が広がる」というメリットを説かれても、遠方に出かける目的意識がそもそも無いし。


記事では

最大の課題は、いかに消費者に「魅力的」と感じてもらえる車を出せるかだ。

などという捉え方をしているが、まずは車を所有することで得られる「魅力的なライフスタイル」を示すのが先決。
無理を承知で言ってるけど。