年老いて田舎に帰るシナリオは消えたか

いくつかのホットエントリで地方の交通事情に関して議論が行なわれているが、何とも将来の展望が見えない議論である。
地下室のスパイダー - 地方の交通問題
partygirlの日記 - 地方の人が車を買ったから、ローカル線が消えた?
The best is yet to be. - 「地方って、もう終わっちゃったのかな」
はてな匿名ダイアリー - 僻地の交通云々

モータリゼーションと公共交通機関の衰退はすっかり卵と鶏の関係になっちゃってるが、いずれにしても論議は「地方の負け戦を如何に収拾するか」という点に固定されざるを得ない。
逆転の芽は見えない。


収拾のシナリオとしては匿名氏が述べているように集約化しかないのかな、と考えているうちに思い出したのが、国立環境研究所が2月に発行した「2050日本低炭素社会シナリオ:温室効果ガス70%削減可能性検討」。
この報告では、日本の50年後の社会の姿として二つのシナリオを想定している。

シナリオAでは人口・資本を都市部に集約し、効率化追求を進めた地方切捨て社会。地方都市の可能性としては農業・発電プラント拠点とか。
シナリオBは第一次産業への人口回帰による分散化。スローライフ。

一応は両者の折衷的な進行を予測しているようだが、個人的にはスタイルAに大いに偏った進展をするのではという印象を受けたので、ここに述べた次第。

脱温暖化2050プロジェクト - 2007年2月15日報道発表資料
脱温暖化2050プロジェクト - 報告書(シナリオA・Bの説明は4ページ目)
市民のための環境学ガイド 時事編 安井 至 - 国環研の温室効果ガス70%削減シナリオ(hiroC注;上記報告書内容の分析です)


交通に限らず、あらゆる局面で地方経済の採算モデルが崩れていってる。昭和の生活スタイルを取り戻せない事に気付いた以上は、それが絶望的な負け戦でも進んで行かなくてはいけない。
緩やかに熱死していくシナリオが残っているうちは。





とか何とか書いてるうちに、こんなん見つけて脱力。
はてな匿名ダイアリー - みんな練馬に住めば解決すること