雪ゆきて、神軍

相変わらず目がシンドいので1時間遅れで会社に向かおうとしたら、
ドアを開けると一面の銀世界。
えーと・・・原付では路面が危ない?
10年前に大阪で大雪に出くわした(そういやあれもクリスマス近くだったか)経験を思い起こし、「国道まで出ればあとは何とかなる」とばかり原付で強行突破を図るも、ケツを振られて一向に前に進めず、通りすがりのオバちゃんに
「やめとき、死ぬでー。」
とまで言われたのでさすがに断念。命の恩人のオバちゃんに感謝。


あきらめの良いワタシは原付を引っ張って家に戻ると(3倍は時間がかかった)、会社の方に「コアタイム(10時)には間に合わないんで、午前有給にしといて下さい」と電話して一息。
なけなしの根性を奮い起こして徒歩にて駅まで向かうことに。降り出してから間が無い様子で、道の端には新雪が残っていて歩くのに不足はない状況。
駅に辿り着くと信号事故のためダイヤに5〜10分の遅れとしきりにアナウンス。駅員によれば通勤時間のピークを過ぎてからおもむろに降り出したとの事。
ホームには会社に携帯で連絡を取ってる様子の通勤客が勢揃い。
「えーからえーから、その仕事は土曜に廻して」
「えー、他に誰も来てへんのん?」
「お前だけか加古川から来てんの、サラリーマンの鑑や!」
「すいません、すいません、すいません・・・」
様々な人間模様を見れたのでモトは取れたような感じ(その時はそう思った)。


ようやく到着した電車は次の駅の手前で5分ほど止まる。信号待ちとのアナウンス。またも携帯で「電車止まりましたー」の連発。
駅から会社まで3km弱の道程を歩く。タクシーに乗れば1500円はふんだくられるので、どうせ午前は時間に入んないんだからいくら歩いてもいいんだとデスペラードな気分。
休校にでもなったか、前の方を中学生が自転車で走っている。死ぬで。
小一時間も歩いてようやく会社に辿り着く。心なしか少し日が照ってる。
オフィスに入ると、みんな普通の雰囲気で仕事してるし。
ワタシがここまで苦労してやって来たのはひとえに困ってる人の顔を見たいがためだったのに、何か全部台無し。
是非とも夕方までには路面が凍結しますように。
チェーンを持って来てない人が途方に暮れますように。
あと二輪は会社に置いて帰る羽目になりますように。
そう祈らずにはいられない冬の日であった。


・・・祈ってはいたのだが、
昼頃から日が照って来るし。
路面の雪は溶けてくるし。
3時には退社命令が出るし。
ワタシの期待と全て真逆。
帰りは駅まで送迎バスに乗って帰りましたとさ。
ワタシの繰り広げた大冒険の意味は一体?
(答;無意味とゆー意味)