いろはのいの字はISO自慢

建設工事の品質管理は無理なの?ISOは機能したの?(28日;livedoor PJニュース

今回無茶をやらかした木村建設の取得したISO 9001とは、要するに品質管理に関する情報を文書マニュアル化して保管・利用するという主旨である(地元で工場をやってる友人がこいつを取得するため東奔西走していたので、内容の重みについてはワタシなんざよりよくご存知だろう)。上記ニュースには「9001と2000」と書いてあるが、正しくはISO 9001:2000(2000年改訂版のISO 9001規格)である。


単純に言えば「やるべき事は紙に書く」「書いたからにはやる」というだけの事なのだが(小学生だなまるで)。
ただし、書類の辻褄さえ揃ってれば「出来もしない事を書き」「とても書けない事をやる」事だって出来るのである。当然の事ながら後で確かめれば容易に分かるし、書類で合わせた辻褄が品質に反映することはないから普通はやらないのであるが。
それぐらいの判断力すら無くなった時点でISO規格は骨抜きになる訳だ。
どこの企業もISOを取得するとこれ見よがしに自慢するが(うちの会社もそうだが)、外から見る分には分からないので安易に信用してはならない。
一連の当時者企業には代わりに"USO 800"の規格を進呈したい。



話はあさってにすっ飛ぶが、うちの会社ではISO 14001も取得している。
こいつは俗に環境ISOと呼ばれるもので、管理対象は環境マネジメントである。ゴミの分別から省エネ、グリーン購入・・・と環境にまつわるありとあらゆるアクションの指針・目標・評価を明文化する訳である。
これも取得しておけば実に聞こえはいい。
ちなみにワタシは環境に有害なカドミウム含有材料の撤廃で一仕事させられた。溶接材料としてしこたま使っていたのでこれを代替材料に変えるべく、丸1年を検討・評価に使った。一般製品(年間使用量は数百kg)とワタシの担当製品(数kg単位)では材料の組み合わせが異なるので別の代替材をチョイスしたのだが、上層部の「そんなん全部一緒にしてまえ」の一声にワタシの思いは空しく散った。ド畜生。